CINEMA 2019.09.17

【レビュー】ホントはロボットか?バージョンアップを繰り返す、68歳のラジニカーント

インド映画史上最高額の制作費で撮影された『バーフバリ 王の凱旋』に続き、インド映画歴代2位の興行収入を叩き出した本作『ロボット2.0』が、前作の日本公開から7年の時を経てようやく公開される。

監督は変わらず、主演も前作同様にインドが誇る大スター、ラジニカーント。他の出演作同様、いきなり冒頭クレジットに「Super Star Rajni」と表示されるやいなや、高すぎるテンションを維持したまま本題の物語へ突入する。

どう見ても中年というか、おじさんのロボット「チッティ」が暴れに暴れまくった前作が記憶に新しい中、今回もまた同じロボットを演じるラジニカーント御大、実年齢はなんと68歳に。

正直に書くと、68歳ができる最小限の動きと最先端のVFX(視覚効果)の融合がコミカルさというか気持ち悪さを醸し出していて、製作陣が狙ってたものなのか、偶然の賜物なのか・・・

「これは一体何を見せられているんだろう?」感に浸る余裕もないままに、主人公ロボットが絶えずツッコミどころ満載の動きを見せながら、物語は勝手にどんどん進行していく――。ロボットと物語の動きはそれほどにエネルギッシュで速い。

確かに演じてるのはインドの伝説的スーパースター。だけど、そもそもどう見ても初老もいいところなロボットが、街を荒らす最強スマホ集合体ロボットと正面から闘うというその強引すぎる展開は、どこかマトリックスやターミネーター2、アイアンマンを思い出させる。

そんな戦闘描写の先に、「人間への安全性、命令への服従、自己防衛」という、アシモフのロボット3原則の遵守に縛られた主人公ロボットが、果たして主人である博士の期待に応えて見事勝利を勝ち取れるのか。

そして、スマホ集合体ロボの暴走の動機と目的とは?
今回は前作で描かれたように、主人公ロボットのロボットとしての悲哀に焦点は当てられず、テーマはむしろ敵ロボットの暴走の背景に隠されている。

現代文明を象徴するスマホ自体に憎悪の炎を燃やす敵役のビジュアルが、少し故スティーブ・ジョブズを彷彿させるのは気のせいか、それとも意図された皮肉なのか。

前作の内容からある程度予想していたとはいえ、文明の利器スマホの暴走なんかよりも、インドの68歳のスーパースターの奮闘(ある意味暴走)に何度も目を丸くした。

日本を含む世界中をインド映画ブームで包み込んだ『ムトゥ 踊るマハラジャ』(未見の方はこの機に是非)から、早20年近くが過ぎた今、この先ラジニカーント御大は一体どれだけバージョンアップを繰り返していくのだろう。

遠くない将来、本当に体の一部がロボットになりそうな気がしないでもない。

公式サイト : https://robot2-0.com/

 

映画『ロボット2.0』 あらすじ


ある日、突然、インドの街からすべてのスマートフォンが消えた。そして携帯業者や通信大臣がスマホに殺されるという殺人事件が次々に発生。バシー博士(ラジニカーント)は助手のニラー(エイミー・ジャクソン)とスマホの行方を追ううちに、無数のスマホが合体し巨大な怪鳥に変身していることが判明。やがてその巨大怪鳥は人類を襲いだし、軍隊でも抑えきることのできないモンスターと化す。バシー博士は、かつて封印された、あの伝説のロボット「チッティ」を復活させ、人類を守ることを思い立つ。しかしそれはインド中を巻き込んだ、壮大なバトルの幕開けとなった!

■公開日   : 10月25日(金)
■監督・脚本 : シャンカル『ロボット』
■音楽    : A.R.ラフマーン『スラムドッグ$ミリオネア』
■VFX    : レガシー・エフェクツ
■衣裳デザイン: メアリー・E・ヴォクト  
■出演    : ラジニカーント、アクシャイ・クマール、エイミー・ジャクソン
■配給    : アンプラグド・KADOKAWA

クレジット:©2018 Lyca Productions. All rights reserved.


ライター: 毘沙門天華男(フリーライター)
 
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